2018年11月17日土曜日

蚕の話(その2)

今回は序文に違うこと書こうと思って何か思いついていたのですが、ちょっと時間をおいたらあっさり忘れてしまいました。記憶力には人一倍自信がありません。
しょうがないので諦めてあったまっていきましょう。今日も蚕の話です。

(前回に引き続き虫についての話題注意)


先日の蚕ちゃんのサイズ感。ちいさい。頭の触角で色々感知します。ヒトみたいな姿形なのは妄想優先で描いたせいなので大部分はただのお飾りということで…ちゃんと機能するのは目くらい?足も1対減ってるけど蚕なので翅も実質使わない&よちよち歩き移動しかしないので大丈夫ですね
腹部を触っていますが、虫なので絵面的にはお尻をモミモミされてる感じのイメージです。(虫に関しては排出腔もある腹部の先端の方をよくお尻って言いますし)あんまり触ると色々中身が出そうな雰囲気なのでほどほどに。

人間を始めとした一部の動物の寿命がやたら長いおかげでわりと忘れがちなところもありますが、昆虫類は大抵「次世代を効率良く残す」ことに特化した人生(虫生?)を送りますよね。素早く繁殖、素早く産卵……その後はぽっくりと死んでしまったり。蚕もその例にもれず、羽化後は交尾をして産卵を終えると長くとも10日以内にはぱったり死んでしまいます。幼虫の間に一生分の食事をして、なぜか成虫になると一切食物を摂らず数日以内に死んでしまう虫は何種類かいますよね。一生のサイクルがこれだけ短いながら、ちゃんと繁栄できてるのはすごい。
(蚕の場合は需要を見込まれヒトに飼われることで安定した存続につながってるんですけど)

前回割愛した交尾の話。R-18的なことは特に言っていないはず。
蚕の交尾ってかわいいですね。見た目が白くてモフモフでかわいいからかな?それはさておき。
成虫が羽化すると、オスはメスの出すフェロモンを感知してメスに接近、お腹…?お尻…?(どっちで呼ぼう?お尻でいいか)お尻をくっつけて交尾に入ります。オスのお尻の先に鉤のようなものがついていて、それをメスのお尻に引っ掛けることで密着するようです。
メスを見つけてから交尾中までの間オスは羽ばたきまくります。飛べないのに。飛べないなりに本能的にメスに接近しようとしてるんでしょうか。どっちにせよ体が大きすぎて飛べないのですが、羽音は結構出ます。人生(虫生)最後の大イベントなので、張り切ってるんでしょうね。
この交尾がまた長くて、放置しているとお互い死ぬまでずっとつながっていたりすることもよくあるのだそうです。なかなか情熱的。でもそれやってるとメスが産卵できなくて困る。というわけで養蚕家や繁殖をさせたい飼い主は結ばれた蚕を引き剥がすことになります。お腹をつまんで軽くねじりながら離すだけ。せっかく結ばれたのに別れさせられるオスの心中やいかに……

ところで「割愛」って言葉、もともと養蚕農家が交尾中の蚕を引き離す行為を指す言葉で、それが一般用語として広まったんだとか。軽く調べてみたところ、さらに大元は仏教用語で、養蚕をする方の誰かが養蚕における割愛の様子と本来の割愛を似ていると考え取り入れたという可能性も云々……詳しいことはわかりません。個人的に詳しく掘り下げてみようという気ではいますが、今ここに書いている段階ではネットロアに過ぎないので、軽く読み流してください。

で、擬人化?というか亜人化?された蚕ちゃんですが、元ネタ通り食べて殖えて死ぬだけだと(かわいいけど)すぐに描くことがなくなってしまうので何かほのぼの系なものが描きたいとか思ったりしてます。愛玩用としても結構な数飼われているみたいですしね。
自然で生きていけない進化を遂げちゃってるので、飼育下でゆったりするよ!みたいな。羽化したら何も食べられないのに何をどうゆったりするんだと言われたら、そこはそれ、ファンタジーということでひとつお願いします。愛玩用なので品種的にも長生きとかそんな感じで。

おまけ


メスの蚕ちゃん。蛹の頃から卵が詰まっているためお腹を始めとした全体的な体格が大きく、オスのようにメスの出すフェロモンを探す必要がないので触角はオスより小さいそうな。メスがオスより大きいのは虫の世界ではよくあること。
余談ですが雌雄双方とも銀髪に描いたのは、蚕の生み出す絹の光沢をイメージしたものです。

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